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  • asami1837

Blueglue『AW』インタビュー


◆3人でやり始めたから3人でやってきただけであって、今自分が改めてバンドやりたいって思ったら3人じゃないかもって思った。 ――『SS』から半年経って今回『AW』についてのインタビューになるんですけど、その前にライブについて伺いたいことがありまして。この半年で劇的にライブが変わったじゃないですか? 渡邊直也(Vo.&Gt.)「ステージに人が増えたとかそういうことですか?」 ――見た目から言えばそうですけど。 竹中駿介(Dr.)「渡邊直也の立ち位置的なことですかね」 渡邊「踊りのこと?」 ――踊りのことというか(笑)、結成からかれこれ7、8年でその間ずっと3人でやってきたわけじゃないですか。それがこの半年でサポートのギターの方を迎えられて、それこそさっき仰てたように直也くんが踊り出し。それについては直也くんから他のメンバーにお話があった形ですか? 竹中「どういう経緯でそうなったのかあんまり…」 齋藤涼介(Ba.)「“音増やしたい”みたいな感じで、自然とそうなったというか。自然と踊り出したというか」 渡邊「DJイベントとかでハンドマイクで歌ったりしてたら、バンドでもやればいいじゃん、みたいに言われることも増えて。それでサポート入れればいいんじゃないって話になった時に、いたから。彼(ショウ・サイトウ)が。それまで全然喋ったこともなかったんだけど、連絡先を訊いて“弾いてくれませんか?”って」 竹中「俺らは会ったことも無かった。“どこどこに良いギターがいるから”って急に言い出して、じゃあ渡邊くんが良いと言うのならスタジオ入ろっかって言って。それで実際に入ってみたらハマりが良かった」

――ショウくんとやってみてどうですか? 渡邊「ライブで初めて入ってもらったのが8月21日の下北沢GARAGEでの“さよならエクス・ガールフレンド”の時で。いきなり弦切るわ、他にもみんな色々トラブって大変だったんだけど、それから1ヶ月後の新宿LOFTでの『AW』リリース時のライブで“あ、これはいけるな”と思って。だから今度は神戸にも連れていくし。この形が基本になれば良いなぁと思ってます。『SS』作った後に、3人でやり始めたから3人でやってきただけであって、今自分が改めてバンドやりたいって思ったら3人じゃないかもって思ったから。ギター弾きたい時も弾きたくない時も、踊りたい時もあるから。なら彼がいた方が良いなってなった」 ――その“踊る”ってこともかなり衝撃的だったんですけど。あれは自然発生的に? 渡邊「なんでだろうなぁ、なんで踊り出したんだろうなぁ」 竹中「でも、ギター持ってた時から変なステップ踏んでたので、その延長ではあると思うんです。ですから、突然踊り出したわけではないです」 齋藤「前兆はありましたね」 竹中「やろうとしていた音楽も、ギターロックの感じより、もうちょっと踊れる音楽だったし、バンドっぽくない感じというか。ポップスの方向に来たから、よりピンボーカルが前に出るし、前に出たからにはいろんな動きが付いてくるしみたいな、そういう流れなんじゃないかな」 渡邊「俺は本気でカッコつけてるけど笑われる感じ、いいんじゃないかなって思ったので、ね」 ――股割りし出した時は本当にびっくりしたんですけど。 渡邊「あれはねぇ、5月からずっと練習してたんですよ」 竹中「ステージが広いところならできる!って言い出して。じゃあやって下さいって」 ――それに対してはそういうスタンスなんですね(笑)。 竹中「身体だけはお気をつけて」 ――齋藤くんはそういう直也くんの変化についてはどう思ってます? 齋藤「ちょっとずつ感じ取っていけたらいいなと。はい、はいはいって汲み取っていくみたいな」 竹中「“股割りとかやるんじゃねーよ”とかは思わない(笑)?」 齋藤「“股割り、ふむふむ”みたいな」 渡邊「それくらいでいいんです(笑)」

◆コンセプトがあったから、やりたいことを好き放題やってもまとまったっていう気がする。

渡邊「『SS』出した直後は苦しみましたからねぇ」 ――苦しんでましたねぇ。一目見て落ち込んでるなって分かる時期が6月くらいに…。 竹中「知らない! そんな時期あったの?」 ――6月、ライブ無かったじゃないですか。それで他のイベントかなんかで会っても、とてもじゃないけど声かけられないみたいな状態で。 渡邊「6月に10曲くらい作ってそこから次のアルバムを作る気でいたけど、けっきょく2曲くらいしか書けなくて。スタジオにも全然入らなかったのは8年間やってて初めてだったかもしれない。毎週のルーティーンだったスタジオも無いと、何か不思議でしたよ。“あ、バンドやってないとこんな感じなのかな?みたいな。あと、“本当にバンドやりたいのか!?”みたいな。で、気持ち的には今、1回解散して新しいバンド始めたくらいの感じなんですね。だから3人っていうことにこだわってないし、電子音も入れるし、俺がギター弾かないというアレンジも良いなと。もう新バンド。それの生みの苦しみが6月だったんじゃないかなって」 ――『SS』がものすごくポップだったのに比べて、今回の『AW』はどっしり構えた盤になったと思うんですけど。 渡邊「『SS』は割と出来てた曲を選んで、そこにコンセプトを嵌めていった感じ。立ってる曲をチョイスしたから全部がシングル曲みたいだけど、それを半年で全部更新したかった。自分的には今いちばん聴きたい曲が書けたから良かったなと思います。」 竹中「でも分かりやすいよね、曲の視点が男女男女の順番になってるとか、そういうのを含めてコンセプトアルバム感がより強まった」 渡邊「そのコンセプトが無かったらばらばらになってたんだと思う。コンセプトがあったから、やりたいことを好き放題やってもまとまったっていう気がする。好きなものを改めて見つめ直して、本当に好きなものをやりたいと思った結果です。あれいつだっけ、どこかの遠征の時に、駿介が寝てて、りょうこ(齋藤)と2人で、好きな音楽って言われたら何て言う?って話してて…」 竹中「そんな瞬間あったっけ?」 ――寝てたから竹中くんにはなかったんじゃないですか(笑)? 渡邊「で、俺は、みんなが口ずさみたくなる、それでいて踊れて言葉が重要な歌。りょうこはなんだろうって思ったら、その時のりょうこは“踊れる音楽”としか言わなかった。“あ、ピントはあってる。大丈夫だ”と思った」

◆今まで避けてた節があるんでしょうね、ああいう曲調は。3人でやるような曲じゃないとか、ライブ向きじゃないなとか。 ――『SS』は出来ていた曲をコンセプトに嵌め込んだというお話がありましたが、『AW』はコンセプトに沿って曲を作った感じですよね? いかがでしたか。 渡邊「1曲目は『キャットストリート』だなっていうのはあったけど、その後は1曲作っては“これは何曲目にいける”“これはいけない、却下!”みたいなことをずっと繰り返してた。出来た順番で言えば『スペシャル』が最初にできた」 ――男女目線が交互になっているというのが『SS』にはなかった取り組みなのかなって思いました。 渡邊「“女の子目線の曲って良いよね”って話をしていた時があって。『SS』がぜんぶ男目線だったから、じゃあ今回は男女男女でメッセージのやり取りみたいな感じにしたら面白いんじゃないかなって思って。」 ――『最近のトレンド』が『ロマンチック』のアンサーソング的な曲だと伺ったんですけど。 竹中「そうなの!?」

――(笑)。 齋藤「『ロマンチック』は“1,2,5”だけど、『最近のトレンド』は“1,2,3”っていう」 竹中「ああ! 私は順序を守るって言う話ね! 聞いた聞いた! ライブ中のMCで聞いた!」 ――(笑)。 渡邊「要所要所で『SS』とリンクするようにさせたくて。だから『ロマンチック』の男と『キャットストリート』の男は同じだし」 ――そんな中で『スペシャル』が最初にできていたというのが意外なんですけど。今回、この曲もですけどミドルテンポの曲が際立ってますね。 竹中「今まで避けてた節があるんでしょうね、ああいう曲調は。3人でやるような曲じゃないとか、ライブ向きじゃないなとか。一時期、こういう曲ばっかり作ってた時期もありましたけどね、20歳くらいの時とか。混沌とした歌詞の世界観だけでムリくり持っていこうとしてたみたいな。そこから”ライブ”というものを考えるにあたってパーティー系の曲とか通って、今再びここに戻ってきたというか。戻ってきたというのもまた違うんですけど」 渡邊「今ならできると」 ――『ホーリーシット』もその系譜というか。 竹中「『ホーリーシット』はいちばん最後にできました。レコーディング当日までほぼほぼ決まってなかったくらいの(笑)」 齋藤「どんな曲なんだろう? って思ってた」 竹中「そうそうそう! 完成度30%みたいなデモだけ俺らに送られてきて、“ラップ乗せるから!”とか言われて、“あ~、ラップやるんだ~”って(笑)。当日迎えてベーシックだけ録って、歌が乗ったら“あ~、こういう曲なんだ~!”みたいな(笑)。でもオケだけですごいカッコ良かったから、別に何も心配はなかったよね」 渡邊「なんかすごい良かったよね。歌詞は女性目線って決めて書いたけど、最終的にアンチ草食系の歌に…」 ――それ、このあいだ熱弁してましたよね(笑)。それがいちばん言いたかったことだって。 渡邊「そうそう、“草食系とか寒い”ってだけ言いたかった。言えてよかった(笑)」 ――『バランタイン』がいちばん古い…と言っても、去年の末くらいですか? 渡邊「書いたのが去年の12月」 竹中「いちばん昔からあるBlueglueの感じが残ってるというか。3人でもできるかたちだし。俺ら、こういうところから始まってきたんだなって思いましたね」 ――そういった意味ですごくBlueglueらしい1曲ですよね。 渡邊「でも歌詞は変えましたね」 竹中「もっと生々しかったよね。生活臭みたいなものがあった」 渡邊「SNSとか、情報が多くてみんな辟易してるよね、みたいな感じをもうちょい入れたいなって思って。」 竹中「“みんなの歌”にしたかったんじゃないですかね。”渡邊直也”を削ることによって」 渡邊「そう、もっと普遍的にしたかった」 ――『SS』の時も仰ってましたよね。“何を書いても渡邊直也になるにせよ、それをもっと物語として書きた い”というような。 竹中「ストーリーテラーでありたいって」

渡邊「…『AW』では完全にストーリーテラーの作詞をしてきて、その中で『バランタイン』だけすごくプライベートな詞だったから、『AW』に合わせた感もあるのかな。『バランタイン』を経て気持ちが1周して気分が晴れて、最後の曲に繋がれば良いなって。」 ――その最後が『僕とガールフレンド』。 竹中「俺、この曲めっちゃ好きです」 ――この曲は何と言うか、元の場所に帰ってきたように感じました。 渡邊「さっぱりした顔で2人が再会するみたいなね」 ――『SS』の最初の頃の雰囲気に近いですよね。春が近い冬の空気感がすごいあって。 渡邊「そうそう。男女はやっぱりすれ違ってるけどね。男はこれでやり直せると思ってるけど、女は全然そんなこと思ってないっていう。作ったのは『最近のトレンド』と同時期で、鳥取のおばあちゃん家に行った時に一晩で歌詞を書いた。これは最後の曲だなって思って書いた」 ――竹中くんは先ほど好きな曲だとおっしゃいましたが。 竹中「メロディがすごく良いから、泣ける。最後の曲だって言うのもそうだけど、映画で言うとクライマックスのいちばん良いシーンが『バランタイン』で、1回暗転してエンドロールで流れてるのが『僕とガールフレンド』だなって感じ。で、その先まで匂わせちゃうような雰囲気もありつつ。終わりなんだけど終わりじゃない。また新しい何かが始まって行くんじゃないかなって」 ――すごい予感に満ちた1曲ですよね。 渡邊「『ロマンチック』に戻るような感じにしたかったんです」 ――確かに! この曲を聴いた後に『ロマンチック』聴きたくなります。 竹中「そのあたりは狙って作っているので(笑)。『ロマンチック』の要素を入れたりして」 渡邊「最後の2行の歌詞、そこに入ってるギターリフ、『ロマンチック』と繋がってますからね。」

◆次の作品が楽しみです。もはや“愛”とか、“人生とは”みたいな。それがぽろっと出るような良い生活をして曲を書いていきたいと思います。 ――『SS』と『AW』、作ってみていかがでした? 渡邊「僕は、自分たちで締め切りを作って、書かなきゃいけないって状況にして書いたのは、リハビリみたいで良かったなと。“今年は作品を作るんだぞ、お前は!自分がどうであれ作品を作ってみろ!”っていうふうにしたので、“作ったな”って(笑)。修行になりました。自分の気持ちも整理できた。1回自分のエモーションから距離を置きたかったって春に言ったけど、それも良い感じにフラットになってきた。だから次は率直に自分の歌を書ける。そういった意味で良かったなって」 ――齋藤君はいかがですか? 『SS』・『AW』を制作してみて。 齋藤「演奏の幅が広がって、どんどんアップデートされている感じですね。年間を通して」

竹中「ライブとかステージのことで言うと、直也がどんどんピンで前に出る場面が増えた分、こっちが気を抜けないというか。こっちがもっと力をつけなきゃいけないってを求められてるんだろうなって思って…というか、思うようにして。演奏の面で単純じゃない、一筋縄じゃ行かない部分が『SS』から『AW』にかけて多くなったから、色々求められるだろうと。彼が素敵に踊るには我々の演奏がしっかりしてなくちゃいけないだろうと思っていて、そこはもう大事な役割だと思ってますね。あと、アーティスト写真とかは打ち合わせ段階から僕と直也でがっつり入ってて。『SS』と、特に『AW』はちょっときたな、と」 ――このアートワークはすごいですよね! 出された時テンション上がりました。 渡邊「奇跡だなと。これがパッと撮れた瞬間に“もう決定です”って」 竹中「なんか、インディーズバンドっぽくない。僕らの中ではアイドルっぽいと思ってるんですけど(笑)」 ――バンドっぽくないですよね、全然。 竹中「w-inds.みたいだよね、3人とも歌って踊るユニット(笑)」 渡邊「俺が踊るんだっていうことがこれで伝わるから良いなって」 ――この後11月末には自主イベントがあって、2月末にはワンマンライブが発表されていますが。 渡邊「リリースしてのワンマンは…2年半ぶり? 1年で2枚作って、四季でイベントやって、最後ワンマンだろう、やりたい! って思ってたところに圓さん(圓山満司さん/ライブハウス下北沢GARAGE店長)に“ワンマンやっちゃえば?”って言ってもらえて」 竹中「なんか今回、ワンマンって言われた時に初めて“え!?”ってならなかった。色んな自信があって、“ああ、ワンマンね”って感じに僕はなりましたね。2月はまだ先だから今から準備ができるっていうのもありますけど、この1年やってきたことに自信があったというか。作ったものを聴いてくれて応えてくれる人たちがちゃんといることも定期的にイベントをやって分かったし。だからみんなもワンマンやって欲しいって思ってくれてるって感じたし、俺らもやりたかったし、然るべきタイミングだろうってなりましたね」 渡邊「楽しみですね」 ――ワンマンライブに向けての抱負とかありますか?

渡邊「股割り…」 ――(笑)。 渡邊「股割り、ターン、シンバルキック。あと、肉体改造」 竹中「ああ、それね。渡邊直也のでかいテーマになりましたね、ついこの間から始まった」 渡邊「このままじゃいかんと思ったわけですよ、自分は。あらゆることに対して。で、まず肉体だろうと」 竹中「形から入るタイプなんです」 ――(笑)。 渡邊「健全な精神は健全な肉体にしか宿らんだろうと。画面に映るためにひょろいのはいかん! 芸能人ってみんな本当にがっしりしてますよね。だからそういうことだ、半年後は芸能人です!芸能人!!」 ――楽しみにしてます(笑)。 渡邊「次の作品が楽しみです。何を作るかな。コンセプトでここまで押すのはもうやらないと思うから…もはや“愛”とか。“人生とは”みたいな。もう“女の子好きです、ヤリたいです”みたいなのはこの1年でじゅうぶんやったし、俺ももうそんなに思わなくなってきたから..(笑)」 竹中「1年前は、今年このテーマでやっちゃったら今後できなくなるよね、どうしようかなくらいに言ってたんですけどね」 渡邊「落ち着きましたね、実際やったことによって。25歳ですし、人生考えちゃう歳ですよ。抱きたい抱きたいとか言ってる場合じゃないぞ。それよりも言いたいですね、一言で何かこう…おお! っていうことを。それがぽろっと出るような良い生活をして、良い曲を書いていきたいと思います。今は好きなものがどんどん増えて、力が抜けていいですよ、生活が。それがもっと自分のオリジナルになっていけばいいなと思う。そう、オリジナルを作りたいって今回非常に強く思った。」 竹中「僕自身がやりたい音楽って言うのは、正直無いんです。だから、渡邊直也に求められた瞬間に、すぐ何でもできるようにしておきたい。それが僕たちの仕事かなと」 渡邊「3人っていう制約が無くなった分、ハードルは上がってるんですよ。でも出来ると思います。オリジナルなCD、オリジナルなライブ、オリジナルなダンス…(笑)楽しみにしていてください」■

===Blueglue=== HP⇒http://blueglue.syncl.jp/ Twitter⇒@blueglue_says 『AW』・『SS』通販⇒GARAGE 2F SHOP ===Live info=== 2015年 11/25(水)神戸VARIT. 11/29(日)下北沢GARAGE Blueglue presents“秋のトレンド” 12/9(水)新宿Marble 2016年 2/27(土)下北沢GARAGE Blueglueワンマンライブ“僕とガールフレンド”

収録日:2015年10月25日(日)14:00~


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